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MM2H条件変更(2021年10月以降)

新型コロナ感染症の感染拡大のため受付を中断していたMM2Hの再開に向けて、2021年8月11日、マレーシア内務省より、マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)パスの新規申請の再開に関する報道発表がありました。
人気ロングステイ先に選ばれる大きな要因であった取得しやすく維持しやすいMM2Hが変わってしまいます。マレーシア内務省発表内容です。

プログラムの再開、新規申請に関するマレーシア内務省発表内容(2021年8月13日)

● 内閣は、7月14日及び7月30日、国家回復計画の実施を支援する戦略の一つとしてMM2Hプログラムに関する新たな施策の改正案に同意した。
MM2Hプログラムは、全ての法制手続完了後、2021年10月より、マレーシア入国管理局(JIM)によって再開され、新規申請に対応する予定である。
● 申請手続は、MM2H参加者の申請、処理、個人情報管理の目的でオンライン化される。
(MM2Hプログラム参加者数上限)
● マレーシア国内における同プログラムによる外国人流入の懸念から、参加者本人と被扶養者の人数を常にマレーシア国民総人口の1パーセントを超えない水準とする。
(申請資格)
● 犯罪履歴のない者に限定する。
(申請要件)
1. マレーシア在住日数が年間合計90日以上であること(MM2H参加者が消費活動を通じて国内経済に貢献することを確証するため)。
2. マレーシア国外で得る収入が、月額40,000リンギット以上であること(従来は10,000リンギット)。
3. 定期預金額が1,000,000リンギット以上あること。ただし、不動産取得、医療、教育目的で最大50パーセントの引き出しが可能(従来は、50歳以上について150,000リンギット,50歳未満について300,000リンギット)。
4. 年齢は以下のとおり二分類される。
(1)35歳以上49歳以下
(2)50歳以上
なお、35歳以上49歳以下の申請においては、以下の条件を満たす必要がある。
(1)申請者本人又は配偶者のマレーシア在住日数が年間合計90日以上であること
(2)申請者の配偶者及び子供、親、義理の親である被扶養者について、一人につき50,000が条件3の定期預金額に加算。ただし、不動産取得、医療、教育目的で最大50パーセントの引き出しが可能。
5. MM2H長期ソーシャル・ビジット・パスの期間は5年間で、申請条件を満たす限り5年ごとに延長可能(従来は10年間)。
6. 1,500,000リンギットの流動資産を申告すること(従来は、カテゴリーに応じて350,000リンギット及び500,000リンギット)。
7. 年間パス料金は、90リンギットから500リンギットに値上げ。オンラインシステムなどのサービスの質向上のため、手続き費用を新たに徴収し、申請者本人は5,000リンギット,被扶養者は一人あたり2,500リンギット。
以下は、MM2Hパス提供に当たってのセキュリティー確保のための内務省の取組
8. パスの更新、世帯主の変更、本人及び被扶養者の国籍変更はセキュリティーチェックを受けて合格する必要がある。
9. セキュリティー強化のため、全ての申請者本人及び被扶養者は無犯罪証明書を提出する必要がある。
10.内務省は観光芸術文化省、旅行代理店と連携して取り組む。
● MM2Hプログラムの新しい要件は新規申請、今後失効する既存パスの延長申請に対して適用される。
● 延長申請する者については、新しい要件を満たすための1年間の猶予期間が与えられる。
● MM2Hプログラムの実施及び申請者の入国については、国家安全保障会議(NSC)及び保健省が定める標準運用手順(SOP)に従う必要がある。
● MM2H参加者のコントロールについては、内務省は、マレーシア入国管理局及びマレーシア国家警察を通じ、定期的に監視・取締りを行う。

 

プレミアム・ビザ・プログラム(2022年10月1日申請受付開始)

プレミアム・ビザ・プログラムが導入されます、略称はPVIPでMM2Hとの大きな違いは滞在義務がない点ですが発行手数料が高額に設定されています。また個人申請はできず、エージェント申請が強制されます。

プレミアム・ビザ・プログラム(PVIP)の申請資格

●申請条件として年齢制限はありません。
●PVIPの取得者は、マレーシアでの事業経営、就労、就学が可能という利点があり、目的を問わず不動産購入が認められるほか、特定分野への積極的な投資も許可されます。
●配偶者、子供(20歳以下)、両親、義理の両親、家政婦を帯同者とすることが可能です。
 *21歳以上の子供は帯同者とみなされず、別途PVIP申請が必要となります。
●申請者と帯同者は、健康保険加入および無犯罪証明書提出が義務付けられます。
●5年ごとに更新手続きが必要で、その際、パスポート確認、個人情報更新、健康診断などが義務付けられています。
●ビザ発行手続き費用(初回のみ)申請者本人が20万リンギット、帯同者は一人10万リンギットと高額設定されています。
●収入条件について、月額RM40,000以上
●流動資産の証明は不要
●マレーシアの銀行に定期預金を年齢に関係なくRM1,000,000預け入れる。定期預金は1年間は引き出し不可ですが1年経過後は、不動産取得、医療、教育目的で最大50パーセントの引き出しが可能です。

  

旧MM2Hを更新維持する方法

旧条件で取得したMM2Hは既得権(2022年現在)

旧条件で取得したMM2Hは有効期間までそのままの維持できます。内務省発表では「MM2Hプログラムの新しい要件は新規申請、今後失効する既存パスの延長申請に対して適用される。」とされていますが2022年現在は旧条件のまま期間5年で更新されています。 年間90日の滞在条件も適用はされていません。しかし運用は変更される可能性があります。

  

人気ロングステイ先

ロングステイに適した国

ロングステイに適した国の条件といえば、
 ・治安がいいこと
 ・気候が温暖
 ・物価が安い
 ・相手国政府がロングステイに適したビザを発行していること
があげられます。
  マレーシアは日本から比較的近く、治安も良好です。 また、親日的であることでも有名です。気候は常夏の温暖な気候で、日本の花粉症の心配もありません。 物価水準は日本の約3分の一で、医療水準も高いそうです。産油国のため原子力発電所がありませんし、地震が無いことでも知られています。
  そして、何よりも取得が簡単なMM2Hという、長期滞在者用のビザを発行しているため、日本人ロングステイヤーの人気を博しています。

一番人気はマレーシア

財団法人ロングステイ財団の2012年度意識調査によると、全世代で滞在希望1位はマレーシアでした。30代以上のすべての世代及び全世代総合で一番人気です。

        
年代別希望国
30代未満 30代 40代 50代 60代以降
1 オーストラリア マレーシア マレーシア マレーシア マレーシア
2 カナダ タイ タイ タイ タイ
3 マレーシア ハワイ ハワイ ハワイ ハワイ
4 ハワイ オーストラリア オーストラリア オーストラリア オーストラリア
5 ニュージーランド シンガポール シンガポール ニュージーランド ニュージーランド

同じく、財団法人ロングステイ財団の2019年度までの意識調査で、14年間連続でマレーシアが一位でした。2位がタイ、3位がハワイでした。

        
過去7年の希望国・地域の推移
順位 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019
1 マレーシア マレーシア マレーシア マレーシア マレーシア マレーシア マレーシア
2 タイタイ タイタイ タイ タイ タイ
3 ハワイ ハワイ ハワイ ハワイ ハワイ ハワイ ハワイ
4 オーストラリア オーストラリア オーストラリア 台湾 台湾 フィリピン フィリピン
5 ニュージーランド カナダ フィリピン フィリピン フィリピン オーストラリア 台湾
 
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MM2Hとは(2021年10月以前)

マレーシア・マイ・セカンド・ホーム・プログラム

MM2Hは、マレーシア・マイ・セカンド・ホーム・プログラム(Malaysia My Second Home)の略で、マレーシア政府が外国人に発行する長期滞在ビザです。 MM2Hビザを取得すれば10年間マレーシアに滞在することができます。10年後には更新することが可能なので、 更新する限り半永久的にマレーシアに住むことができます。

MM2Hの魅力はビザを取得してもマレーシアに滞在する義務がないことです。マレーシア滞在が具体的に決まっていなくても、取得することができます。 日本以外に長期滞在できる場所を確保する目的で取得しておくことが可能です。2011年以降は、東日本大震災を受けて日本人取得者が増加傾向にあります。

次の表は、年度別のMM2Hを取得した日本人の人数です。

    
日本人のMM2H取得者数(※)
2002 49
2003 99
2004 42
2005 87
2006 157
2007 198
2008 210
2009 169
2010 195
2011 423
2012 816
2013 503
2014 428
2015 300
2016 281
2017 352
2018 233

(※)MM2H centre,ministry of Tourism Malaysia
  

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MM2Hの取得条件(2021年10月以前)

MM2Hの取得条件は50歳以上と50歳未満で異なります。

50歳未満

500,000リンギ以上の流動資産及び一月10,000リンギ以上の国外での収入があることを証明する財務的証拠を示すことが必要です。

50歳以上

は350,000リンギ以上の流動資産及び一月10,000リンギ以上の国外での収入があることを証明する財務的証拠を示すことが必要です。   引退された方は政府の承認のある年金基金より一月10,000リンギ以上の年金収入があることを証明する財務的証拠を示すことが必要です。(*註1)

[財務的証拠とは現金、預金、債券、有価証券、不動産又はその他の資産の形態であることが認められます。]

(以上 http://www.mm2h.gov.my から抜粋)

補足事項

MM2Hの申請には個人で行う方法とマレーシア政府公認のエージェントを通じて行う方法があります。
夫婦で申請する場合は、財産基準は夫婦合算が可能、たとえば夫名義預金が300,000リンギ、妻名義が100,000リンギであれば、合計400,000リンギで判定される。 夫婦がそれぞれ、財産基準を満たす必要はありまえん。
申請時には無犯罪証明書の提出が必要、犯罪歴がある場合は、取得できないと思われます。

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MM2Hの維持条件(2021年10月以前)

MM2Hを維持するために満たさなければいけない条件があります。条件は、50歳以上と50歳未満で異なります。

50歳未満

300,000リンギの定期預金勘定を開設する。
* 一年を経過したら150,000リンギまでを、家屋の購入、マレーシアでの子女の 教育、医療費用などの認められた支出の為に引き出すことができます。
* 150,000リンギ以上の残額を、2年目以降このプログラムによりマレーシ アに居住期間中維持せねばなりません。   
* マレーシアで1,000,000リンギ以上の不動産を購入、保有した参加者は、その不動 産に対する支払いが完了し、譲渡証書(Grant)や土地権利証書(Land Title )などの権利書が発行されている事を条件として、基本的な定期預金150,000リンギの 規定を充たすことができます。 この金額はMM2Hの参加を停止するまで引き下ろす事は できません。


50歳以上

下記のいずれかを選ぶことができます。  
- 150,000リンギの定期預金を開設。又は  
- 政府で承認された年金基金からの(一月)10,000リンギの証拠を提示する
* 一年を経過したら定期預金で基準をクリアした人は50,000リンギまでを、家屋の 購入、マレーシアでの子女の教育、医療費用などの認められた支出の為に引き出す ことができます。
* 100,000リンギ以上の残額を、2年目以降このプログラムによりマレーシアに居住 期間中維持せねばなりません。
*  マレーシアで1,000,000リンギ以上の不動産を購入、保有した参加者は、基本的な 定期預金100,000リンギで必要を充たすことができます。この金額はMM2Hの 参加を停止するまで引き下ろす事はできません。 マレーシアで1,000,000リンギ以上の不動産を購入、保有した参加者は、その不動産 に対する支払いが完了し、 譲渡証書(Grant)や土地権利証書(Land Title)など の権利書が発行されている事を条件として、基本的な定期預金100,000リンギの規定を 充たすことができます。この金額はMM2HPの参加を停止 するまで引き下ろす事はできません。  

(以上 http://www.mm2h.gov.my から抜粋)

補足事項

マレーシアに移住しなくてもマレーシア国内に定期預金を維持しなければなりません。MM2Hを解除するまで、定期預金は解約できません。
MM2Hの申請後、仮承認のレターを入手したら6ヶ月以内に、マレーシアの移民局に本人が出向いて、本申請を行います。 本申請するためには、マレーシア国内の 銀行が発行した定期預金の証明書が必要です。 本申請の前にマレーシア国内銀行でMM2Hのための定期預金を作成して、移民局に定期預金証明書を交付してもらいます。
この定期預金はこれ以後、移民局のレターがなければ解約できません。

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MM2H取得時期は現役世代がお勧め(2021年10月以前)

現役世代は収入基準をクリアーするのは比較的容易ですが、リタイアしてから一月10,000リンギ以上の収入を証明するのは年金収入だけでは難しくなります。 収入があるうちに取得する人が多いのも事実のようです。

取得してもすぐにロングステイする必要なし(2021年10月以前)

MM2Hはとりあえず取得しておいて、マレーシアに長期滞在するかどうかは後から考えるという考え方もあります。 MM2Hの有効期間は10年ですが、日本のパスポートの書換えのタイミングでマレーシアのMM2Hセンターで 手続きする必要があります。

補足事項

例えば有効期限2020年のパスポートを使用してMM2Hを2013年に取得した場合、MM2Hの有効期限は2023年ですが、2020年にパスポートの期限が切れるため、 その前に、あらかじめ日本で新パスポートを取得しMM2Hビザが添付された旧パスポートと新パスポートをマレーシアのMM2Hセンターに持参して、 新パスポートにMM2Hビザを移す必要があります。 2020年にパスポートが切れたままMM2Hの移行をしていない場合には、MM2Hが失効する危険があります。

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日本のカントリーリスクをMM2Hでヘッジする

富裕層でなくとも、MM2Hを使って富裕層並みのリスクヘッジを目指す。

富裕層は日本のカントリーリスクを意識して、海外に複数の拠点を持ち、資産を分散させています。 富裕層と同じことは出来なくても、せめて日本以外の1カ国目としてマレーシアを選択してみる。MM2Hは富裕層でなくても手が届きます、 シンガポール、オーストラリアなどの投資家ビザは諦めざるを得なくても、MM2Hならば狙い目といえるでしょう。経験上、人気のビザは取得条件が厳しくなったり、 廃止されることがあります、取れるうちにとっておくことが大切かもしれません。

いざという時に日本以外にも合法的に住む場所を確保できている安心感は、なかなか得られるものではありません。日本で生活しながらMM2Hを取得しておくことで、 ハイレベルのリスクヘッジになります。

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©Tanaka Masao 2021