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日本マレーシア租税条約

租税条約の締結

日本とマレーシアは租税条約を結んでいます。正式名称は「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び 脱税の防止のための日本政府とマレイシア政府との間の協定」といいます。略称は「マレイシアとの租税(所得)協定」です。現行の租税条約は、平成11年12月31日効力が発行しています。

日本マレーシア租税協定の改正

日本マレーシア租税協定改正議定書(正式名称、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とマレ イシア政府との 間の協定を改正する議定書)が、平成22年2月10日にプトラジャヤで署名され、平成22年12月1日から発効しました。

本改正議定書による現行協定の主な改正点は、次のとおりです。

(1)情報交換の対象となる租税の範囲の拡大
情報交換の対象となる租税を、協定の対象税目に限定せず、すべての種類の租税に拡大したこと。

(2)情報提供の義務の明確化
一方の締約国から情報提供の要請を受けた場合に、自己の課税目的のために必要でないこと、 銀行等が有する情報であること等は、締約国が情報の提供を拒否することを認めるものとは解してはならないこととしたこと。

租税協定の改正により、現行の情報交換に関する規定(第25条)は、国際標準たるOECDモデル条約に則した形に改正されることになります。旧25条によれば、マレーシ ア側は、銀行秘密に抵触する場合の情報提供を拒否することも想定されましたが、今後は情報提供を拒否することができなくなると解されます。

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情報の交換 25条

情報の交換について規定している、25条の平成22年の改正内容を紹介します。改定後の5の内容から、銀行機密に抵触する場合も情報提供されると解されます。

25条新旧対照表
改正前 改正後
1 
両締約国の権限のある当局は、この協定若しくはこの協定が適用される租税に関する両締約国の法令 (当該法令に基づく課税がこの協定の規定に反しない場合に限る。)を実施し又はこれらの租税に関する脱税を防止するため必要な情報を交換する 。情報の交換は、第一条の規定による制限を受けない。

両締約国の権限のある当局は、この協定の規定の実施又は両締約国若しくはそれらの地方政府若しくは地方公共団体が課するすべての種類の租税に関する両締約国の 法令(当該法令に基づく課税がこの協定の規定に反しない場合に限る。)の規定の運用若しくは執行に関連する情報を交換する。 情報の交換は、第一条及び第二条の規定による制限を受けない。
 
一方の締約国が受領した情報は、当該一方の締約国がその法令に基づいて得た情報と同様に秘密として取り扱うものとし、この協定が適用される租税の賦課若しくは 徴収、これらの租税に関する執行若しくは訴追又はこれらの租税に関する不服申立てについての決定に関与する者又は当局 (裁判所及び行政機関を含む。)に対してのみ開示 することができる。これらの者又は当局は、当該情報をこれらの目的のためにのみ使用することができる。 これらの者又は当局は、当該情報を公開の法廷における審理又は 司法上の決定において開示することができる。

1の規定に基づき一方の締約国が受領した情報は、当該一方の締約国がその法令に基づいて入手した 情報と同様に秘密として取り扱うものとし、1に規定 する租税の賦課若しくは徴収、これらの租税に関 する執行若しくは訴追、これらの租税に関する不服申立てについての決定又はこれらの監督に関与する者又は 当局(裁判所及び行政機関を含む。)に対してのみ、開示される。これらの者又は当局は、当該情報をそのような目的のためにのみ使用する。 これらの者又は当局は、当該情報を公開の法廷における審理又は司法上の決定において開示することができる。

1の規定は、いかなる場合にも、一方の締約国に対し、次のことを行う義務を課するものと解してはならない。
(a)当該一方の締約国又は他方の締約国の法令及び行政上の慣行に抵触する行政上の措置をとること。
(b)当該一方の締約国又は他方の締約国の法令の下において又は行政の通常の運営において人手すること ができない情報を提供すること
(c)営業上、事業上、産業上、 商業上若しくは職業上の秘密若しくは取引の過程を明らかにするような情報又は公開することが公の秩序に 反することになる情報を提供すること

1及び2の規定は、いかなる場合にも、一方の締約国に対し、次のことを行う義務を課するものと解 してはならない。
(a)当該一方の締約国又は他方の締約国の法令及び行政上の慣行に抵触する行政上の措置をとること。
(b)当該一方の締約国又は他方の締約国の法令の下において又は行政の通常の運営において入手することができない情報を提供すること。
(c)営業上、事業上、産業上、商業上若しくは職業上の秘密若しくは取引の過程を明らかにするような情報又は公開することが公の秩序に反することに なる情報を提供すること。

新設)
一方の締約国は、他方の締約国がこの条の規定に従って当該一方の締約国に対し情報の提供を要請する場合には、自己の課税目的のために必要 でないときであっても、 当該情報を入手するために必要な手段を講ずる。一方の締約国がそのような手段を講ずるに当たっては、3の規定に定める制限に従うが、その制限は、いかなる場合にも、 当該情報が自己の課税目的のために必要でないことのみを理由としてその提供を拒否することを認めるものと解してはならない。
新設)
3の規定は、提供を要請された情報が銀行その他の金融機関、名義人、代理人若しくは受託者が有す る情報又はある者の所有に関する情報であることのみを理由 として、一方の締約国が情報の提供を拒否 することを認めるものと解してはならない。

日本マレーシア租税条約の日本文(参考)

日本マレーシア租税条約の日本語部分の抜粋です。最新版、確定版は必ず財務省、外務省で確認してください。

     
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